フォーカストセッション

FS01 計算ADMET (1)

10月29日(火) 14:00〜15:30 タワーホール船堀4F 研修室

モデレーター

植沢 芳広(明治薬科大学)

FS02 計算と実験の融合による核酸医薬開発の動向と展望

10月29日(火) 14:00〜15:30 タワーホール船堀4F 407

モデレーター

渡邉 博文(株式会社ウィズメーティス)
山岸 賢司(日本大学)
石川 岳志 (鹿児島大学)

FS03 計算ADMET (2)

10月30日(水) 14:00〜15:30 タワーホール船堀4F 研修室

モデレーター

湯田 浩太郎(インシリコデータ)

FS04 医療データAI解析実践フォーラム

10月30日(水) 14:00〜15:30 タワーホール船堀4F 401

モデレーター

水野 聖士(東北大学)
小島 諒介(京都大学)
荻島 創一(東北大学)

FS05 分子ロボティクス研究会

動け、細胞/人工細胞

10月30日(水) 14:00〜15:30 タワーホール船堀4F 407

分子ロボティクス研究会では、人工的な生体分子システムを合理的な設計に基づいて作製することを目標としている。その際の鍵となる機能に”動く”がある。天然の細胞は、細胞骨格系を用いて、自律的に運動する事が可能であり、その天然のシステムを改変したり、模倣したりする事で、人工的なシステムに”動く”機能を実装する事が可能になると期待される。本セッションでは、細胞運動や筋肉を司るアクチン・ミオシン系(アクトミオシン系)に焦点を当て、気鋭の研究者に御発表いただく。前半2題は、光等のシグナルに応じて、アクチンの重合・脱重合を制御し、細胞/人工細胞の変形や、形態形成のお話を山本昌平先生(東大)と松林英明先生(東北大)より御紹介いただく。後半の1題は、細胞運動に必要な要素を一旦バラバラに分解し、機能発現に本質的と考えられる要素から細胞運動を再構成する構成的手法に関して、宮﨑牧人先生(理研)より御発表いただく。本セッションでご紹介いただく細胞操作技術と、再構成技術の連携を通し、真に”うごく細胞/人工細胞”を早期に実現する方法・展望に関して広く御討論いただきたい。

モデレーター

多田隈 尚史(上海科技大学)
川又 生吹(京都大学 理学研究科 物理学・宇宙物理学専攻)
佐藤 佑介(九州工業大学 情報工学部)
小宮 健(海洋研究開発機構
豊田 太郎(東京大学 大学院総合文化研究科)

演者

FS05-01

山本 昌平
(東京大学 大学院薬学系研究科)

「光操作による細胞皮層構築原理の探求」

細胞皮層は、主に細胞膜に係留されたアクトミオシンからなり、細胞の遊走や形状変化を駆動する。これまでに、細胞皮層を構成する因子が同定されてきたが、その構築原理や時空間的な制御については、未解明な点が多く残されている。我々は、光感受性化合物を用いて、ヒト細胞の細胞皮層を局所的かつ一過的に操作する技術を開発した。本発表では、この技術を用いて明らかになった細胞皮層の構築機構やその応用について議論したい。

FS05-02

松林 英明
(東北大学 学際科学フロンティア研究所)

「アクチンによる力発生と細胞運動の再構成」

非対称なアクチンの重合やそれによる力の発生は細胞の運動や、分裂、神経細胞ネットワークの形成など多様な生命現象の基盤をなす細胞機能である。我々は、このような動的な細胞機能を構成的に理解するため、アクチン重合を操作するための分子ツール「ActuAtor」を開発した。ctuAtorは哺乳類細胞内で標的オルガネラの変形を誘導し、脂質膜小胞(GUV)型の人工細胞系では外部シグナルに応じた対称性の破れや、膜変形を可能にした。さらに、光誘導型のアクチン重合によって人工細胞の変形や運動を誘導する取り組みについて、最新の知見を紹介したい。

FS05-03

宮﨑 牧人
(理化学研究所生命機能科学研究センター)

「アクトミオシンが駆動する細胞運動の再構成」

細胞運動は、個体の正常な発生やがん細胞の浸潤などに関わる重要な生命機能であり、その仕組みの解明は基礎科学のみならず医学的にも重要である。私たちは、生きている細胞を一旦バラバラに分解し、機能発現に本質的と考えられる要素から生命機能を再構成するという構成的手法で、細胞運動仕組みの解明に挑んでいる。本講演では我々の最新の研究成果を概説し、今後の展望について議論する。

FS06 幹細胞とAIを用いた毒性予測の新アプローチ法の紹介:第2弾

10月31日(木) 14:00〜15:30 タワーホール船堀4F 研修室

モデレーター

曽根 秀子(横浜薬科大学)
永堀 博久(住友化学)

FS07 先端的計測技術(1)(2)

10月31日(木) 13:30〜16:00 タワーホール船堀4F 407

モデレーター

石田 誠一(国立医薬品食衛生研究所 / 崇城大学)
多田隈 尚史(上海科技大学)
藤田 聡史(産業技術総合研究所)

FS08 オミックスの原理研究会

「オミックスの原理」研究会

10月31日(木) 14:00〜15:30 タワーホール船堀4F 406

ゲノム解析技術の発展により種毎あるいは個人毎の全ゲノムは確実に得られるようになりました。このFSでは、これまでオミックスのデータから、生物全体がどのように設計されているか?という「原理的な問題」を中心に議論してきました。本年2月にそれらをまとめた著書がSpringerから出版されました。今回のFSでは、著者等(美宅と澤田)が著書の内容を解説し、議論を深めたいと思います。さまざまな分野の方々に参加していただければ幸いです。

モデレーター

美宅 成樹(名古屋大学名誉教授) 
広川 貴次(筑波大学)
荻島 創一(東北大学高等研究機構未来型医療創成センター/東北メディカル・メガバンク機構)

演者

FS08-01

美宅 成樹
(名古屋大学名誉教授)

「“Evolution seen from the phase diagram of life” by S Mitaku & R Sawada
生物の原理を扱った「Springerの著書」の解説と将来の展望
著書執筆の動機と経緯について」

CBI学会のFSで毎年議論してきた『生物の原理』の問題は、より広く国際的に紹介するべきものと考え、数年前から英文の著書をまとめてきました。Springerへの企画書自体は、5年以上前に通っていたのですが、いくつかの事情でかなり遅れ、ようやく本年2月に出版の運びになりました。最初の原稿では生物の原理の問題だけを扱い、現在の生物科学との関係が分かりにくくなっていたことが、出版が遅れた原因の一つでした。それで、FSの冒頭でも著書(4部構成)の第1、2部の部分をごく簡単に説明します。

FS08-02

澤田 隆介
(岡山大学)

「膜タンパク質予測から『生命の相図』へ」

21世紀に入って多くの生物のゲノム配列が得られるようになったので、様々な生物のゲノム中の膜タンパク質を調べてみたところ、おおよそ25%という一定な割合で分布していることが示されました。どのような進化的メカニズムで膜タンパク質の割合が一定に保たれているかを調べるために、高精度膜タンパク質予測システムSOSUIを用いて、配列のランダム変異シミュレーション解析を行いました。その結果、膜タンパク質の割合を一定に保つためには、コドン位置ごとのゲノム塩基組成が重要であることがわかってきました。そこで様々な生物に関してコドン位置ごとの塩基組成をプロットすることで、『生命の相図』を定義することができました。

FS08-03

美宅 成樹
(名古屋大学名誉教授)

「『生命の相図』による進化の理解と、生物機能への展望」

前のお話では、ゲノム配列から『生命の相図』が導入されました。そこで次に『生命の相図』に基づいて、さらに詳細にゲノムを解析すると、生物進化のメカニズムの一端を示します。まず、塩基組成が細胞内因子によって決まることは、ウィルスゲノムの解析によって明らかにされました。そして、組成を決める細胞内因子に対する変異によって、ターゲットとしてのゲノム全体の塩基組成がジャンプします。それにより、新しい生物種が誕生することになります。 最後に、ゲノム全体での塩基組成を決めるメカニズムについても考察したいと思います。それによって、生物の機能と『生命の相図』との関係も見えてくるはずです。