ワークショップ
大会初日に、計算ADMET研究会協賛のワークショップを開催します。参加登録システムで本大会への参加登録後に、ワークショップの参加登録をすることができます。
WS01 「計算科学的手法による毒性予測手法開発に関する最新動向と今後について」
主催:奈良先端科学技術大学院大学・データ駆動型サイエンス創造センター
協賛:計算ADMET研究会
2023年10月23日(月) 13:00-17:00 タワーホール船堀2階 福寿
参加費無料・要参加登録、定員140名
開催趣旨
化学物質によって生じる種々の毒性を、動物実験等に頼ることなく計算科学的手法等により予測することは、動物愛護の観点および昨今のめざましいAI技術の高度な発展にともない国際的潮流である。一方で創薬分野においても新規の医薬品開発の加速化等の観点からも国際機関をはじめ各国規制当局および業界を含めた研究機関が取り組みを進めている。本ワークショップは経産省令和5年度化学物質規制対策(毒性発現予測システムの活用促進に向けた課題等の調査)の一環として実施しており、国内外のすでに利用可能な「毒性」の「インシリコ予測」手法の現状について会場でのデモンストレーションも含め、最新の情報を共有しその方向性を知る機会とする。なお、奈良先端科学技術大学院大学は経産省省エネ型電子デバイス材料の評価技術の開発事業 (機能性材料の社会実装を支える高速・高効率な 安全性評価技術の開発 平成29年から令和4年)において28日間反復投与毒性予測システム(AI-SHIPS)を構築しているが、本ワークショップでは環境毒性を含め広く毒性全般の予測手法について情報を共有し活発な意見交換を期待する。
【モデレーター】
奈良先端科学技術大学院大学 特任教授 船津 公人
奈良先端科学技術大学院大学 委託教員 庄野 文章
明治薬科大学 教授 植沢 芳広
【ご挨拶】内野 絵里香 (経済産業省 製造産業局 化学物質管理課 化学物質リスク評価企画官)
【講演】
1
船津 公人(奈良先端科学技術大学院大学)
「本ワークショップの開催目的と意義について」
本ワークショップは経産省令和5年度化学物質規制対策(毒性発現予測システムの活用促進に向けた課題等の調査)の一環として実施しているものであり、国内外のすでに利用可能な「毒性」の「インシリコ予測」手法の現状について会場でのデモンストレーションも含め、最新の情報を共有しその方向性を知る機会としている。本ワークショップでは環境毒性を含め広く毒性全般の予測手法について情報を共有し活発な意見交換を期待する。
2
櫻谷 祐企((独)製品評価技術基盤機構)
「有害性評価支援システム統合プラットフォーム(HESS)及びOECD QSAR Toolboxについて」
リードアクロスによる反復投与毒性の評価を支援する有害性評価支援システム統合プラットフォーム(HESS)の概要を紹介する。また、OECD QSAR Toolboxの開発・運用動向について述べる。
3
田坂 友彦(株式会社アフィニティサイエンス)
「Alvascienceソフトウェアスイートを用いた毒性・生物活性予測」
分子記述子・フィンガープリント計算ソフトウェアとして定評のある alvaDesc をはじめとする alvaModel , alvaBuilder 等の Alvascience ソフトウェアスイート並びにノンコード AI プラットフォーム Multi-Sigma を用いた毒性・生物活性予測の事例を紹介する.
4
今西 浩之(インフォコム株式会社 ヘルスケアイノベーション事業部ヘルスケアサービス部ライフサイエンスグループ)
「毒性・安全性評価を支えるin sillicoソリューションの紹介」
医薬品や一般化学物質の研究開発現場では、開発コストの削減やスピードアップ、動物愛護の観点から、(定量的)構造活性相関(Quantitative Structure-Activity Relationship: QSAR)を含めたin silico解析を行い、生体に投与したときの活性や毒性を予測することが行われています。統計ベースQSARが搭載されている代表的なソフトであるMultiCASE社のCASE Ultraは、変異原性・発がん性・心毒性・皮膚毒性など様々なエンドポイントの予測モジュールを搭載しています。また、同社は、近年特に製薬業界で注目を集めているニトロソアミン類について、リードアクロスを用いたAI設定をサポートすることができるQSAR Flexを上市しました。本講演では、これらの製品の成り立ちから利用方法に至るまで紹介します。
5
Anand Krishnamurthy(バイオビア, ダッソーシステムズ株式会社)
"Accurately and rapidly assesses the toxicity of chemicals by TOPKAT based solely on their 2D molecular structure."
TOPKAT accurately and rapidly assesses the toxicity of chemicals based solely on their 2D molecular structure. TOPKAT uses a range of robust, cross-validated, Quantitative Structure-Toxicity Relationship (QSTR) models for assessing specific toxicological endpoints.The computational toxicology in TOPKAT is useful for:
1. Rapidly assessing a broad range of toxicity of an organic compound solely from its 2D molecular structure
2. Examining structure-toxicity relationships as a function of substructure and potential changes in structure and relating these to mechanism of action
3. Ranking compounds for experimental testing or further development
4. Designing new molecules
6
Thierry Hanser(Lhasa Limited)
"Data Driven Federated Learning: Application to toxicity prediction."
Federated Learning (FL) allows to share knowledge across multiple organisations whilst preserving information privacy. In recent years this emerging approach has been applied in Molecular Discovery [1] enabling the access to knowledge previously locked in private corporate silos. In this presentation we will describe a new data-driven Federated Learning paradigm called FLuID (Federated Learning using Information Distillation) which presents several advantages over current popular model-driven methods. We will present an overview of the approach and how it can be applied to improve toxicity prediction.
[1] Hanser T. Federated learning for molecular discovery. Current Opinion in Structural Biology. 2023 Apr 1;79:102545.
7
吉田 琢哉(富士通株式会社 ソーシャルソリューション事業本部 Healthy Living ライフサイエンス事業部)
「説明可能AI技術によるADMET予測の試み」
当社では、独自の説明可能なAI技術の組合問題を高速に計算可能なWide Learning技術を開発している。当技術をADMET予測へ適用し、ADMETに起因する可能性のある要因の組合を計算することで、化合物構造の特徴やADMETメカニズムとの関係性を明らかにする試みについて紹介する。