チュートリアル

大会初日にチュートリアルを開催します。本大会へのWebから参加登録後に、チュートリアルの参加登録をすることができます。

参加登録後に都合がつかなくなった場合は、事前に事務局にご連絡ください。チュートリアルは席に限りがあり、チュートリアルに参加したい方に一人でも多く参加いただけるように、ご協力をよろしくお願いします。

TS01 ケモインフォマティクス入門プログラム

2023年10月23日(月) 13:00-17:00 タワーホール船堀3階 307
参加費無料・要参加登録(定員30名)

開催趣旨
バイオインフォマティクス分野と同様にケモインフォマティクス分野でも多くのOpen source software(OSS)が研究に活用されているが、一方で体系的にまとまった情報は少なく実業務への活用は試行錯誤が必要である。そこで本セクションでは、ケモインフォマティクスのOSSツールとして標準的に利用されているRDKitを用いたケモインフォマティクス実務者向けのハンズオンセミナーを行う。

具体的には以下の内容をハンズオン形式で実施する。
1. 特定標的に関する特許から抽出した化合物データ解析
データの前処理(正規化、脱塩など)ケミカルスペースの可視化、クラスタリング
2. 予測モデルの活用
予測モデルの構築(データ準備,モデル最適化,モデル作成)
予測モデルの利用した化合物の検証
3. 公共データを利用したVirtual Screeningの実施

対象者ケモインフォマティクス中級者
・Anacondaなどを利用した環境構築などがご自身できる方
・実務でRDKitを利用している方、したい方
・Python Programmingの経験者

モデレーター
大川 和史(旭化成ファーマ株式会社)
芹沢 貴之(第一三共株式会社)
新井 浩一郎(旭化成ファーマ株式会社)
高橋 一敏(味の素株式会社)
宮野 奈津美(帝人ファーマ株式会社)

事前の準備について(2023.10.9更新)
当日はJupyter-notebookを利用する予定ですが、当日までに以下のURLを参考に、持参されるPCに事前に必要なライブラリのインストールをお願いします。
cbi-society/cheminfotutorial1023: material for cheminfo tutorial (github.com)

TS02 FMOデータベース実践チュートリアルプログラム

2023年10月23日(月) 13:00-17:00 タワーホール船堀4階 401
参加費無料・要参加登録(定員30名)

開催趣旨
フラグメント分子軌道(FMO)計算結果を収載したFMOデータベース(FMODB; (https://drugdesign.riken.jp/FMODB/) は、2019年2月の一般公開以来データ数を増やし、2023年 3月23日時点で16816構造を公開している。最近では、富岳等のスパコンを用いたMDスナップショット等の大規模データを用いたFMO計算が始まっている。また、創薬ターゲットタンパク質の静的な構造に対する解析だけでなく、動的な構造に注目したFMO解析及びデータ収集の取り組みが広がっている。本セッションではまずFMO計算を始めようと考えているユーザー向けにFMODBの概要を紹介し、実際に登録されているデータを用いて、創薬研究に用いるための解析方法について紹介する。またすでにFMO計算を行っている中級者向けに、最新の研究事例を紹介する。この過程において、実際のFMO計算の解析方法をチュートリアル形式で体験する。FMODBの詳細を知りたい方、実際にFMO計算結果を解析してみたい方のご参加をお待ちします。

モデレーター
渡邉 千鶴(理化学研究所)
高谷 大輔(大阪大学)
加藤 幸一郎(九州大学)

プログラム
13:00-13:05 はじめに高谷 大輔(大阪大学)
13:05-14:35 FMOデータベースの紹介とデータ活用方法渡邉 千鶴(理化学研究所) 
量子化学計算の一つであるFMO法により得られる相互作用エネルギー(IFIE/PIEDA)はタンパク質-リガンド間相互作用解析及び創薬研究への応用が期待されている。私たちのグループではFMO計算データの蓄積を目的としたFMODBを開発し、FMODDコンソーシアムのメンバーによる計算、自動化前処理プロトコールで計算された結果等のFMOデータを閲覧するための簡便なインターフェイスをホームページから提供している。本セクションではFMODBが提供する機能や開発状況について紹介する。また、FMODBデータの活用事例としてFMO計算のPre/Post-GUIであるBioStation Viewer等を用いた解析を実施する。

14:35-14:55 休憩

14:55-16:25 FMODBを活用したリガンド–タンパク質間の動的平均相互作用解析

 松本 大夢(九州大学)
リガンド‐タンパク質間の動的平均相互作用解析について、COVID-19のメインプロテアーゼ(Mpro)を題材にFMODBのwebインターフェイスおよびBioStation Viewerを用いた解析を行う。関連研究の最新動向を紹介すると共に、一連のMDスナップショット構造に対するFMO計算で得られた複数のcpfファイル(IFIEなどの各種数値が格納されたファイル)から1つの動的平均cpfファイルの作成を行い、動的平均cpfファイルを用いた解析を実践する。
16:25-16:35 まとめ加藤 幸一郎(九州大学)
16:35-17:00
個別相談等

事前の準備について
チュートリアルでの説明と並行して、実際にFMOデータベース、BioStation Viewerの操作を行っていただきます。希望者はFMO創薬コンソーシアムのホームページから公開されているBioStation Viewerの事前インストールを行ってください。BioStation Viewer は https://fmodd.jp/biostationviewer-dl/ からダウンロードしてください。
なお、チュートリアルで実際に使用する最新版のBioStation Viewer等のプログラムやデータについては、チュートリアル開催の一週間前をめどに下記のサイトでご案内する予定です。https://drugdesign.riken.jp/pub/CBI2023tut/

TS03 リアルワールド医療データソン

2023年10月23日(月) 13:00-17:00 タワーホール船堀4階 研修室
参加費無料・要参加登録(定員35名)

次世代ヘルスケアの実現に向けて、ゲノム情報や医療・健康情報の⼤規模データの利活⽤が国内外で急速に進んでおり、創薬においてはすでにゲノム情報、医療情報の活⽤が強⼒なアプローチとなっている。そこで、いかにゲノム情報、医療・健康情報の基盤を形成し、⼤規模データを、データサイエンス・AIを活⽤して新しい医療・創薬の実現に挑むか ー その戦略を考えるあたり、実際に医療データを解析するデータソンを通じて、最新の⼤規模な医療データの状況、解析技術を共有する。また、個⼈情報保護についてどうあるべきかについて議論し、今後私たちが向かうべき⽅向性を共有する。

新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、医療データのリアルタイムの集計・分析ができない課題が浮き彫りになり、国は医療データのDXに取り組んでいる。もし、パンデミックが始まったときに医療データにアクセスできたら、私たちデータサイエンティストはなにができたのかー。時計をパンデミックがはじまった2020年に巻き戻して、その当時にリアルタイムに医療データにアクセスできたとしたときに、いかなるエビデンスを創出して、医療に役立てることができたかに挑戦する。

リアルワールド医療データの解析にご興味がある方のご参加をお待ちします。当日は解析用のノートPCをご持参ください。

参加にあたっての留意点
中級者レベル以上のPythonもしくはRのプログラミングスキルが必要です。
RであればBase RもしくはTidyverse等、PythonであればPandas等によるデータ操作に習熟していることが望ましいです。

モデレーター
茂櫛 薫(cBioinformatics株式会社/東京医科歯科大学統合教育機構)
荻島 創一(東北大学未来型医療創成センター/東北メディカル・メガバンク機構)